所在地 米沢市南原笹野町 有限会社村上畜産 代表取締役:黒浜 氏

導入の経緯

堆肥が溜まってしまう

堆肥の買取希望の連絡をいただいたのが、今から約15年前の冬。訪れた農場では堆肥の不需要期ということもあり生産された堆肥の多くが在庫として残っていました。詳しく伺うと堆肥の売れ行きの変化、そして周辺地域だけの堆肥販売では積雪時など不需要期になると堆肥が農場内に溜まってしまいがちであるとのこと。その時、拝見した堆肥は発酵処理こそ正しく行われていましたが農家が敬遠しがちな「粉状」となっていました。そこで、まずは販路拡大のため農家が欲しがる「粒の堆肥」が出来る当社の発酵造粒装置をお勧めましたが、すでに密閉型の発酵装置を使っていらっしゃったこともあり、造粒装置としてペレットマシンを導入されました。

解決した課題

ランニングコストを抑え、農場内の在庫(堆肥の貯留)を削減

ペレットマシン導入によりペレット状になった堆肥は周辺農家からも評価され販売量が増え農場から無くなっていくものの、新たな課題が生まれます。それはペレット化に必要なコストの問題でした。(ペレット化に必要なコストは堆肥1kgあたり10円と言われています)

そこで再び堆肥化施設の適正化を検討。既存の密閉型発酵装置も初期発酵装置として有効利用できるように施設を設計。結果的にコストを抑えつつ、周辺農家のみでなく他県へ広域流通可能な粒状堆肥が出来る弊社のプラントを2007年に導入していただく運びとなりました。

満足ポイント

pht_customer3_01黒濱社長からは、「すでにあった密閉型発酵装置との組み合せで、追熟、造粒、乾燥と堆肥の商品価値を高めることを目指して施設設計を行った結果、追加施設のイニシャルコストは必要でしたが、商品価値を高めたことで付加価値をつけて販売することが可能となり、コスト負担をカバーすることが出来ました。なにより東邦実業の広域流通に乗せることで、堆肥の出荷期間(需要期)が長くなり農場内での製品在庫の負担がなくなり堆肥が溜まらなくなりました。」と評価を頂戴しました。また忘れられないのが、プラントが稼働を開始した時に創業者である村上会長と交わした会話です。
「目黒さん、養豚業を始めて以来、30数年余り、堆肥販売のことが頭から離れたことが無かったんだよ。朝、目が覚めると、農場にある堆肥をどうしようと悩んでいた。本当は豚の世話のことを考えたいのに堆肥のことばかり考えていた。その苦労から開放されると思うと本当に涙が出てくるな・・・」と。以降、豚の管理に集中出来るようになったと喜んでいただいております。

東邦実業から

導入以来、当社向けのとんぷん堆肥「とん太くん」の生産を主軸にしつつ、周辺農家へは自家販売、県外は当社が担当し販路拡大した結果、堆肥が農場に溜まることはなくなりました。その後、養豚業の縮小にともない堆肥化施設が停止するまでは、とん太くんの生産協力農場の主力として当社の堆肥販売に多大なるご協力をいただきました。まだまだ市場に粒状とんぷん堆肥が少ない時代に先駆けとして、とん太くんを生産していただけたことが当社のとんぷん堆肥市場の拡大にもつながりました。本当にありがとうございました。

導入した機械

  • 東邦式発酵造粒装置 S-245深槽型 1台(2007年)
  • 東邦式天日乾燥撹拌機 TP-4300型 1台(2007年)
  • 東邦式製品選別装置 TR-4200型 1台(2007年)
  • 東邦式袋詰め装置 TF-3000型 1台(2007年)
東邦式発酵造粒装置・東邦式天日乾燥撹拌機
東邦式製品選別装置
東邦式袋詰め装置