東邦実業株式会社

ブロイラーふんの堆肥化施設見学


茨城県の鶏ふん堆肥化施設へ、見学希望者をご案内いたしました。

お客様はブロイラー業を営われ、ブロイラーのふん処理としては、

一般的な焼却処理ではなく、発酵処理で堆肥化の検討をされております。

 

ブロイラーのふんを発酵処理する場合、1番のポイントは好気性発酵を促すための水分添加です。

鶏舎から搬出された鶏ふんの含水率は30%前後と乾いているため、そのままでは好気性発酵が始まりません。

井戸水などを利用して水を添加します。

目標とする含水率は、約55%程度です。

全体に満遍なく水を添加すると、24時間後には発酵が始まり、堆肥の温度が上昇します。

24時間後には、60度を超える温度となります。

ここで約4日間、予備発酵を行い、発酵造粒装置GTR6000型に投入します。

発酵造粒装置が撹拌することで、鶏ふんが粉砕されていき、空気を含み発酵に適した状態を維持します。

ここでも60度以上の堆肥温度となり、発酵と乾燥、そして粒状化が進んでいきます。

約20日かけて、発酵レーン出口へ送られてきます。

発酵と造粒処理が終わり、含水率も35%程度となります。

見学された方々も、鶏ふんが発酵と共に粒に変化する様子に驚かれていました。

 

次は仕上げ乾燥工程です。

天日乾燥撹拌機が稼働するハウスへ鶏ふんを移動します。

天日乾燥撹拌機が天地返ししながら、約1週間かけて乾燥ハウス出口へ送ります。

乾燥によって発酵造粒後と色が変わっているのが分かりますね。

この状態で、含水率は15%程度となっております。

 

最後にトロンメル篩を使い製品サイズの選別です。

 

3mm以下の粉

※弊社の設備で堆肥化した鶏ふんは、粉といっても顆粒状となります。

 

3mm~10mmの粒

 

10mm以上の粒

 

フレコンバックに充填して出荷を待ちます。

現在、ベトナムを主としたアジア圏への輸出と、ホームセンター、近隣耕種農家への販売で、生産に追われている状態と伺いました。

特に粒状の人気が高く、最近では粉(顆粒)の需要も増えてきたそうです。

 

ブロイラーのふんを発酵堆肥化する場合、手間が大変増えるというのがネックです。

せっかく乾いている鶏ふんに水をかけて、それをまた乾かすという、矛盾しているような作業が必要なのです。

この方式が普及しない、理由の一つかもしれません。

私共は、この手間の問題を良く理解していただくために、必ず実際の施設を見学していただいています。

そして、堆肥生産している方の生の声を聞いていただいております。

その上で、それでも『耕種農家が欲しがる良い堆肥』を作りたいという思いの方へ、弊社の施設をお勧めしております。

 

施設の見学は、ご協力いただいているユーザーさんの防疫を考慮して、5月から9月頃に限らせていただいております。

「発酵堆肥を生産したい。」

「市場に求められている堆肥の生産現場を見てみたい。」

「メリット、デメリットの生の声を聞いてみたい。」

そんなご要望がございましたら、是非、弊社までご相談ください。

 

環境設備課 目黒