東邦実業株式会社

堆肥の品質について その2


 前回、堆肥の品質について、仕上がり乾燥の状態が重要であることをお話させていただきました。今回は二点目として「異物混入」のお話させていだきます。昨年より食品への異物混入が問題となっていますが、実は堆肥も異物の混入が問題となるのです。

 堆肥に混入する代表的な異物は針金やボルト、ナットなどの金物、木片、小石、たばこのフィルターなどです。本来、畜舎から搬出されるふんには上記したものが入ることは無いのでしょうが、堆肥化処理の過程、シャベルローダーなどで移動する際に混入することが多いと思われます。また、豚ぷんに関しては、豚が豚舎をかじったりいたずらすることで、異物が混入することもあります。さらに異物とは認識しがたいかもしれませんが、鶏ふんにおいては換羽した際など大量に出る羽軸(発酵後に残った羽の芯の部分)も異物と言えるでしょう。

「所詮、堆肥なんだからその程度の・・・」

 こんな声が聞こえて来そうですが、堆肥と言えでもやはり問題なのです。前回も話題にしましたが、私どもの販売する堆肥は機械散布を前提にしております。鶏ふんの中に上記したような異物があると、散布機を壊してしまう恐れがあるのです。何より怖いのは針金などの場合、袋に入った堆肥を持ち上げた時などに手に刺さる可能性もあります。

 このような事故を防止するためにも、まずは堆肥化処理場を整然とした状態に保つことです。堆肥化行程の動線を定期的に歩いて見回り、目についた異物を除去するだけで混入の可能性は減ります。また、堆肥化工程に携わらない方々にも注意喚起を続けることも大事です。しかし、それでも可能性がゼロになることはないでしょう。
 
 上記のような対策を講じたうえで、機械による異物除去を行います。特に危険な針金など金属は磁石を利用した選別(磁選機)を行うことで防止できます。

「所詮、堆肥なんだから・・・」

 そう思った時から、堆肥の品質は低下し、結果的に商品として競争力を失ってしまうのです。

 堆肥の異物混入について、不安を感じられた方は弊社までご相談ください。

環境設備課 目黒